出産場所どこがいいかなあ。助産所ってどうなんだろう?
助産所で産んで感じたメリットを紹介するよ!
出産場所、色々候補があると迷いますよね。
自分は第1子を総合病院、第2子を助産院で出産しました。結論から言うと、助産所で出産して本当に良かったです!
(声を大にして言いたい!文字としてしか伝わらないのがもどかしい!)
この記事では、
✅助産所を選ぶまでの経緯
✅実際に産んで感じたメリット
を助産師(一応)の立場からお話していきたいと思います。出産場所を選ぶときのポイントもまとめたので、是非読んで後悔しない選択をしてください😊
そもそも助産所とは?
1 | 助産所の定義(医療法第2条) 「助産所」とは、助産師が公衆又は特定多数人のためその業務(病院又は診療所において行うものを除く。)を行う場所をいう。 助産所は、妊婦、産婦、又はじょく婦10人以上の入所施設を有してはならない。 |
厚生労働省の定義を見てみましたが、言葉が難しいですね😂
助産所にもいろいろな形態があって、分娩を取り扱わず妊婦検診や産後のケアだけを行う施設もあります。共通するところは、名前の通り助産師が施設の責任者になって助産ケアや保健指導を行うということです。
妊婦健診、エコー、出産の介助、授乳や新生児のお世話について指導などなど
医師が常駐していないので、医療行為(会陰切開や縫合、薬の処方など)は基本的に出来ません。
医療行為が出来ないのは助産所のデメリットだね
実際に助産院で出産して感じたメリット
助産所に行くときに上の子も連れていける
コロナ渦の大体の病院で、妊婦健診時の付き添いは出来なくなってます。妊婦健診の度に夫に休んでもらうのも実家に預けるのも難しかったので、助産所には上の子をいつでも連れていけて本当に助かりました。
上の子が来ることもウェルカムな感じだったので、周りに気を遣わず過ごすことが出来ました。
立ち合い分娩ができる
コロナ渦の今は他に立ち合いが出来るところが少ないので、立ち合い分娩が出来ることは大きなメリットです。病院の立ち合いとは違って、お家のような環境で過ごせるのもよかったです。
希望すれば上の子の立ち合いも出来ましたが、夜中だったので自分はしませんでした。
入院中も家族と面会できる
これもコロナ渦の今だからこそのメリットかもしれません。コロナ渦じゃなくても、小さい子供は面会出来ない決まりの施設もあるので、入院中に上の子と会いたい人にはとってもいいと思います。
面会時に時間制限や細かい決まりがなかったのもよかったです。
帰る時寂しがるから、帰ってから大変だからと、面会しない方がいいという人もいますが、うちはそんなこともなく、上の子と会えて自分自身も安心できました😊
ご飯がおいしい
これは産後当日に頑張ったからと豪華にうなぎを出してくれました😋
和食で野菜中心のご飯を出してくれ、品数がとても多かったです。全部美味しくて、ご飯の時間が楽しみでした!
ほぼマンツーマンなのでケアが手厚い
病院は患者さんも多く、一人に多くの時間をかけることができません。その点助産所はほぼマンツーマンなので、出産時もずっとつきっきりで見てもらえました。
常に気にかけてくれるので頼りやすく、赤ちゃんを預けたりミルクを作ってもらったりして、よく休めました。
病院ではミルク作って哺乳瓶洗ってと、自分でやることが多かった💦
助産師と信頼関係が築ける
病院では妊婦健診から出産、産後の入院中、多くのスタッフと関わります。色んな人に見てもらえるメリットはあるのかもしれませんが、1人の人と継続した関わりはないので、信頼関係を築くことは難しいです。
担当する医師はずっと一緒なので継続して関われますが、一番近くにいてすぐに助けてくれるのは看護師や助産師です。
助産所はずっと同じ人と関わるので、話も通じやすいし関係も築きやすいです。
関係が築けてると頼りやすいんだなと、第2子を出産して改めて実感しました。
受診料、出産費用が安い
節約主婦としては、外せない項目!
助産所では、医療行為がないため他の施設よりかかる費用が安いです。自分の産んだ助産所では、すべてにかかった費用は約48万円でした。
妊婦健診時は補助券以外でお金はかからず、出産と産後入院中の費用だけでした。5日間個室を使っていたことを考えると、本当に安かったです。
助産師として助産所への安全に対する疑問
助産師歴4年、総合病院と産婦人科病院に勤務
結婚して子供を産むまでは、助産師として働いていました。助産師歴は総合病院の産科2年、産婦人科病院2年の計4年です。
病院で働いていたので必ず医師が居て、出産のときは必ず医師が立ち会っていました。妊娠中に悪阻(つわり)や切迫早産、その他合併症で入院して治療が必要な方をたくさんみてきました。出産時に出血が止まらなくなったり、赤ちゃんが心臓止まった状態で出てきたり、本当に怖い経験もたくさんしました。
なので『医療行為が出来ない助産院』は本当に安全なのかと、疑問に思っていました。
自然にこだわって余計に危ないんじゃないかという偏見もあったよ
第1子の妊娠出産時は迷わず総合病院を選んだ
そんな医師の治療が必要な場面をたくさんみてきたので、
医師のいる病院で出産するのが一番安全で安心!それ以外選択肢はない!
と、第1子の出産は迷わず総合病院にしました。赤ちゃんも治療が必要であればすぐに出来るようにと、NICUのある病院を選びました。
望んで総合病院で出産したが、入院中が辛かった
大部屋では全然眠れず、個室は個室使用代が高い
出産までは特に不満もなく妊婦健診を受け、出産しました。出産時は陣痛中に2時間以上放置されその間に急激に進んでいたので、放置され気味だなーと思いましたが、病棟の忙しさも理解できたので納得できました。
ただ、産後入院中が快適ではありませんでした!
まず、大部屋を希望していたので産後すぐから大部屋にいました。
母児同室で自分の子を寝かせても、他の赤ちゃんの声で眠れない。自分の子供を長い時間泣かせないようにすぐ抱っこと授乳をし続けて、夜中も常に気を張っていたため余計に寝不足になりました。
これは耐えられないと空いた個室に移動しましたが、今度は個室使用代(1万円以上/日)が大きくかかってしまいました。
5日入院すると5万円は余分にかかっちゃうから痛い出費になる
気軽に頼れない
母児同室の病院で、昼夜問わず1~2時間で授乳して授乳回数は15回/日以上でした。寝不足だったので2~3時間預かって欲しいと思い伝えるも、
うさち
寝不足なので、夜赤ちゃんを預かって欲しいんですけど…
でも、預かるとおっぱいが張っちゃいますよね?
うさち
あ、まあ確かに張りますね…
と預かってもらえませんでした。
きっと『夜中ずっと預かって欲しい』という意図で捉えられたんだと思います。ちゃんと『2~3時間預かって欲しい』と伝えれば、預かってくれたはずです。
でもこの時は、
預かってもらえなかった
助けてくれないんだ
ととらえて、突き放されたような気持ちになりました。
ただ正しく伝わってなかっただけ!
落ち込む要素なし!
と今なら気にもならないようなやり取りです。
当時は産後の不安定なメンタルに加えて、自分は助産師だからそう簡単には頼っちゃいけないと頑張って、限界でやっと頼った上のこの反応だったので本当にショックを受けました。
産後は思っていた以上に不安定になるんだと、振り返って思います。
産後のメンタルに加えて、眠れないと体も心も追い込まれるね
第2子の時に助産所を選んだ理由
第1子の時の経験で、出産場所は総合病院以外も考えるようになったよ
立ち合いをしたい
第1子の時は実母に立ち会ってもらっていましたが、夫は間に合わず立ち会えませんでした。
出産中の辛さを見て『こんなに痛い思いをして産んでるんだぞ!』ということを分かってもらいたい。
今度は夫に立ち合いしてもらいたいなあ
ですが、コロナが流行してほとんどの病院で立ち合いは出来なくなっていました。
助産師として助産所を知っておきたい
助産師が1人で責任を持って妊娠から出産、その後のケアまで出来る。病院で働くだけでなく、こんな事も出来るんだと知っておきたかったのも理由の1つです。
今後助産師としてどこで働くにしても、自分の経験から妊婦さんにアドバイスが出来ると思いました。
助産所で出産した友人の感想
助産師の幼馴染が助産所で出産したのも大きな理由の1つです。助産所で出産して何が良かったか、ということも色々聞けました。身近な人の口コミはより効果が高い気がします😏
おすすめに後押しされて、助産所で産もうと決心しました!
助産所を選ぶときに注意しなければならないこと
結局、最初に思ってた安全性はどうなの?
詳しく話してくよ!
助産所で出産するには条件がある
助産所は正常な妊娠、分娩しか取り扱うことが出来ません。
チェックリストを確認して、妊娠中・分娩中・産後、正常に経過しそうだなという人は助産所で受け入れることが決まります。
- 身長や体重、BMI
(“下”から産めるかどうか) - 年齢
(若年でも高齢でもリスクがある) - 既往や合併症
- 産科的合併症
(前の妊娠中や出産、産後に異常がなかったか) - (体外受精・顕微授精は要相談)
︙
また、妊娠継続していく中で、これは助産所では扱えないという項目もあります。
- 切迫流早産
- 妊娠高血圧症候群
- 妊娠糖尿病
- 逆子
- (GBS、予定日超過などは要相談)
︙
それは分娩時や産後の場合もあります。
- 陣痛が弱い
- 赤ちゃんが元気ない
- 赤ちゃんの体重が2300g未満
- お母さんの具合が悪い、出血が多い
︙
簡略化して例に挙げましたが、本当に書ききれない程細かい条件があります。細かい条件があるのは、リスクを回避して助産所で産める(医療行為が必要ない)ということを確認しているからです。
少しでもリスクがあれば、病院と連携する体制になっています。
このことから、助産所に対する安全性への疑問は前ほど感じなくなりました。
どこで産むにしても安全第一で、最善策をとってるのは一緒なんだと分かったよ!
医療行為が出来ないため、急変時は対応が遅れてしまう
急変時は搬送の時間がかかるため、医師が常駐している病院と比べると、どうしても治療開始までの速度に差がでてしまいます。
前に挙げたチェックリストで出来る限りリスクは回避していますが、急変する可能性は0ではありません。
リスクを回避しても急変することは誰でもあり得る!
ほぼ1人ですべての経過をみている
関わる人が少ないのは関係を築くにはメリットになりますが、急変時の対応や異常の発見という観点からはデメリットにもなります。
妊婦健診は、提携している病院に一定回数は受診することになっているので、医師にも診てもらう機会はあります。また、出産時は助産師1人では対応しきれないので、必ず複数の人に関わるでしょう。
それでも病院で関わるスタッフの数と比べると圧倒的に少ないので、急変時の対応する人数や異常の発見の機会(視点)は少なくなってしまいます。
出産場所を選ぶときに大切なこと
総合病院、産院、助産所、それぞれの施設にメリットとデメリットがあります。
- 無痛分娩がしたい
- フリースタイルをやってみたい
- 入院中おいしいご飯を食べていっぱい休みたい
- とにかく安全第一がいい
- コロナ渦でも自由に面会したい
すべての希望を満たす施設はありません。
出産に何を求めるのか、何が一番大事なのかということを考えて産む場所を選ぶことが大切です。
第1子の時の病院での入院生活は満足出来るものではありませんでしたが、安全第一ということを求めて選んだので、自分で納得でき後悔はしませんでした😊
まとめ:正しく助産所のことを理解して、自分が納得できる選択をしよう
自分の助産所を選んだ経緯と、産んでみて分かった助産所のメリットをお話しました。
正直、何も問題なく経過すれば助産所で産むメリットはめちゃくちゃあります。ですが、問題があれば違う場所に転院搬送になって、助産所のメリットを感じられないでしょう。
助産所のメリッとデメリットを正しく理解して、納得できる選択をして下さい!
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